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グローバリゼーションについて~イナゴの大群 [グローバリゼーション]

グローバリゼーション。
なんと心地のいい響きだろう。
この第3惑星ひとつが一つにつながるいい感じ。

私は、少なからず、恩恵を受けている。
おかげで金さえ惜しまなければ(あるいは遠回りや宿等の制約を楽しめれば、あるいはなんとか資金を絞り出せれば)、そして時間が作れれば、さらに細君の許諾が得られれば(金銭よりこの二つが難物だが)、ある程度どこまでも行くことが出来る。(近くてもかの国には行けないし行きたくない。行進と舞踊に秀でたあの国のことだ)

グーグルのネット検索も、ギャップのXLのシャツも(ユニクロは年を取ってきて体型が合わなくなった。日本人の標準偏差を越えたらしい)、タイ産のエアウェアのブーツも(価格規制は厳しそうだが)手に入りやすくなった。
しかも、恐ろしい速さで進化した。

四半世紀前は日本製は軽くて、故障が少なく、高性能の代名詞だった。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でマーティ・マクフライ氏は若き日のドクター・ブラウンに1980年代の日本製品の素晴らしさを説明し、トヨタのトラックにあこがれを示している。

ただ、頑丈さはまだまだアメリカ製が優位を保っていた。
「ストレイト・トゥ・ヘル」でジョー・ストラマー氏は、マシンガンがいざという時に動かない事に腹を立て、「日本製め!」と罵倒している。

リーバイスも、LEEも、VANSも、コンバースもまだMADE in USAだった。
靴はイギリス製が格好よかった。
台湾製や、韓国製はまだ「がっかり」に属していた。
工業化度合がさらに低い国の製品には信頼性を感じないか、あるいはエスニック的価値を見出すかだった。(「メイド・イン・ガテマラ」なんて書いてたら、ちょっと興奮した)

かの時代は終わり、自称先進国たちは高くつく自国の国民に作らせることをやめた。
そして、より安い労働力と資源を求めて「イナゴ」が飛び立つ。

「インディペンデンスデイ」において、米国大統領は宇宙人の思考方向について以下の旨を述べている。
「彼らは、星から星へ渡り歩き、ありとあらゆるものを食いつくす。何にもなくなったら、次の星へと移っていく。まるでイナゴの大群のように」と。自国のグローバリゼーションの手法と戦略、そして思想をここまで言及した大統領は彼が初めてだ。

イナゴの本格的な旅立ちは国内の有色人種が安い労働力として使えなくなった頃から始まっている。なにせ「同じバスに乗せない」位さげすんでもいい社会だったんだから、「色つき」は安く使えた。
「イナゴ」はその人たちより安くつく人たちを求めて旅だった。高くつくようになれば、次の島へ、西へ、東へ、北へ、南へ飛んでいく。

日本には「飛び立つ側のイナゴである」という勘違いがあった。
すでにアメリカは日本の安い労働力と勤勉さを見出して、日本に工業をさせていた。技術が移転し、日本人独特の工夫も相まって日本の製品は高性能に育った。日本の自動車がビッグスリーを駆逐した。しかし、日本の労働力は安くなくなった。イナゴは飛び立った。
韓国、台湾、フィリピン、中国、タイ、ベトナム、インドネシア、インドとアジアで席巻を続けている。
今ではバングラデシュ産の洋服にいちいちエスニック感を覚えることはなくなった。

問題は、イナゴが通って行った道筋に、最初から住み着いていた土着のイナゴが、やってきた大群とともに飛び立つところにある。生存競争のために、いい条件の餌が食いつくされた故郷を捨て、さらに安い労働力を求めて飛び立つ。労働力の値段は奴隷なみか、イナゴの国の「ガキの使い」並でないとそろばんが合わなくなる。
通過点に住んでいた土着のイナゴの数が多いと、とんでもないことが起きる。自国にいるイナゴの餌を賄えるだけの他国の安い労働力がないと、食えなくなるからだ。
中国に13億、インドに11億の人口がいる。世界中の「億」を超える、工業を支える国々の「イナゴ」がこれから本格的に飛び立つ。
今イナゴはアフリカあたりを飛んでいる、と聞く。アフリカの向こうに、「アトランティス」や、「ムー」はあるのだろうか?

ひょっとすると、アメリカの第2次産業労働者が一番ちょうどいい労働者になるかもしれない。
相対的に見れば、高くなってしまった海外のコスト(賃金や運輸など)が自国の高コスト体質を相殺するかもしれない。インフラは最初からあるし、先端技術もたんまりある。居住地も多少我慢すればたっぷりある。資源も食料も、他国の事情を無視してしまえば豊富で輸出価格も上がる。仕事を欲しがる移民もたっぷりいる。言葉の壁も新たな「文明教育」の必要もない。喧嘩もかなり強い。

食い荒らされただけの過去の国では、政治家は経済政策の失敗をたたかれ、賃金や生活水準や技術競争力の維持の名目で、国が馬鹿みたいな借金をして平静を保とうとするしかない(その国に住んでいる)。

「イナゴ」は最初から家に帰るつもりで旅に出たのか、それとも、アジアを目指して西インド諸島にたどりつくのか。それとも、着地できる陸地が見つからず、大量死するのか。

私が生きている間に結果が見たいような、見たくないような、だ。






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